原材料表示およびアレルギー表示からだけでは一見して動物由来か非動物由来か判断し難い原材料

 ビーガン食生活に際して加工食品を買う際に原材料表示とアレルギー表示は必ず確認することになりますが、原材料表示およびアレルギー表示からだけでは動物由来の原材料が使われているのかいないのかをすぐに判断できないものもあるので注意が必要です。まずアレルギー表示*1を見て動物性のものが表示されていなければ*2、次に原材料表示を見てそこでも動物性のものがないかどうかを確認することになると思います。ここで気を付けたいのは、動物性のものであってもアレルギー表示には表示されないケースがあるということです。具体的には、

・アレルギー表示28品目外の動物性の成分

・アレルギー表示28品目内の動物性の成分だがアレルゲン除去済みとされてアレルギー表示欄には記載されないもの

という2つのケースがあります。以下、特に注意したい原材料を挙げていきます。

 

乳化剤

 乳化剤(「乳」という文字があるが乳が使われているわけではありません)には、非動物由来のものと動物由来のものがあります。動物由来のものが使われている場合、豚脂由来のケースが多いように感じられます。しかし豚脂由来であっても「アレルゲン除去されている」としてアレルギー表示に豚の表示はなされません。そのため原材料表示に「乳化剤」とあればメーカーに問い合わせ確認するか確認した人の情報を参照する必要があります。また「乳化剤(大豆由来)」という記載でも注意が必要です。この記載の場合でも大豆由来のものに加えて豚脂由来のものも使われていることがあるからです。またメーカーに問い合わせする際も注意が必要で、「問い合わせされる側がよく分かっておらず、動物由来の乳化剤が使用されていても動物由来ではないと回答する」ケースがあります。こういったことがあるので、原材料表示に乳化剤とあるだけで買うのを避けるという選択肢もあり得ます。また乳化剤は、「一般的に原材料は公開されていないがアレルギー表示は公開されている」外食メニューの商品でも使われていることがあるので、特にアイス植物性ミルクなどについては、乳化剤の有無とその動物性の有無を問い合わせる必要があります。乳化剤については当ブログ記事の「乳化剤とグリセリン脂肪酸エステル」も参照してください。こちらの記事では動物由来の乳化剤を使用している具体的な商品を列挙しています。また類似のケースとして「ラード」も注意が必要になります。これは名前ですぐに豚由来だと分かるのですが、ラードが原材料にあってもアレルゲン除去されているとしてアレルギー表示に「豚」が表示されません。コープの袋麺の「みそラーメン」やコンビニのあんまんなどで、「アレルギー表示だけ見れば大丈夫そうだがラードが使われていてビーガンOKでない」というケースがあります。

光沢剤

 光沢剤は、グミやチョコレートなどの菓子製品に使用されていることがあるものです。光沢剤には非動物由来のものもありますが、虫由来のラック・シェラックや、蜂蜜由来のミツロウがあり、これらが使われている場合はビーガンOKではありません。原材料表示に光沢剤とあって、その商品がビーガン認証を受けていないものの場合は、こういったラックやミツロウが使われていると考えたほうがよいでしょう。なおミツロウの場合は「ベジタリアン認証」は通ることがあるようなので、ベジタリアン認証があるからといってビーガンOKだとすぐに判断しない方がよいこともあります*3。また虫由来という点では、着色料のコチニールも虫由来なので注意が必要です。羊羹や団子などの和菓子にピンク系の色が着いている場合はコチニールが使われていることがあります。

ビタミンD

 シリアル・グラノーラ製品や植物性ミルク、野菜ジュースなどに栄養強化として添加されることのあるビタミンDは、羊毛などの動物由来のことがあります。アルプロのオーツミルクや完全食CENZ BARに添加されているビタミンDは非動物由来ですが、基本的に、ビーガン認証を受けていない製品でビタミンDが添加されている場合は羊毛などの動物由来だと考えた方がよいでしょう。これもアレルギー表示などからはすぐに分からないので要注意です。

たんぱく加水分解

 たんぱく加水分解物は、せんべいやスナック系のお菓子に使われていることがあります。非動物由来のものもありますが、カツオなど、アレルギー28品目外の魚由来のものが使われていることがあり、アレルギー表示でそれは分からないので気を付ける必要があります。

マーガリ

 マーガリンに乳成分が使用されている場合はアレルギー表示に表示されますが、魚由来の油が使われていることがあり、その魚がアレルギー28品目外だとアレルギー表示はされません。三立製菓の「源氏パイ」の原材料のマーガリンがそうです。「源氏パイ」は卵・乳製品も不使用で一見して動物性不使用のような印象を受けるので要注意です。なお大塚製薬ソイジョイクリスピーシリーズのマーガリンは動物性不使用です。

おにぎりやおいなりさんの具材

 おにぎりやおいなりさんの具材の、昆布・高菜・味付け油揚げなどには、基本的にカツオ出汁などの魚介類の出汁が使われていると考えた方がよいです。これらは原材料表示にカツオが表示されることがないので注意が必要です。おいなりさんは商品によってはカツオ出汁などの魚介類の出汁が使われておらず動物性不使用のものもあるので、よく訪れるスーパーやコンビニにあるおいなりさんについては魚介出汁使用の有無を問い合わせてみるとよいでしょう。コンビニなどで販売されているおにぎりでビーガンOKなものは基本的に「塩にぎり」と「紀州南高梅」だけだと考えておいた方がよいです。

 

 

 さて次に、「一見して動物由来の可能性もありそうだが問い合わせてみて動物由来であったことがない」添加物について紹介しておきます。

ビタミンB12

 栄養補助食品などに添加されていることのあるビタミンB12ですが、「ビーガンの食事ではビタミンB12を摂ることができない」という巷に流布する文言から、「ビタミンB12は動物由来だ」と誤解している人がいるように思われます。しかしそもそも動物たちも人間と同様に自分で体内にビタミンB12を作り出せるわけではありません。動物たちも食事やサプリメント(畜産業の現場で家畜扱いされている動物たちに与えられることがある)などで微生物由来のビタミンB12を摂取し、それを体内に蓄積しているだけなのです。サプリや栄養補助食品のビタミンB12について、動物からビタミンB12だけを取り出して添加するのは極めて非効率的だと思われます。実際のところ、サプリや食品に添加されるビタミンB12は基本的に微生物由来などの非動物由来だと考えておいてよいでしょう。

調味料(アミノ酸等)

 この「調味料(アミノ酸等)」も、いかにも何か動物由来のアミノ酸を使っていることもあるのではないかと感じさせるものですが、これまで数多く問い合わせてきて動物由来のものに遭遇したことがありません。これも基本的に非動物由来で製造されていると考えてよいでしょう。 

*1:アレルギー表示28品目(表示義務7品目・表示推奨21品目)中、動物性のものは、乳・卵・えび・かに・牛肉・豚肉・鶏肉・ゼラチン・さば・さけ・いくら・いか・あわびです。

*2:ただしチョコレート系の商品の場合でアレルギー表示される「乳成分」は、「原材料に乳製品は使用されてはいないが、製造ライン共有の関係上、乳成分を完全に検出ゼロにすることができないため、乳アレルギーの人への注意喚起のために表示される」ということがあります。このケースは標準的なビーガン食生活では許容されるものです。詳しくは当ブログ記事「コンタミについて」を参照してください。

*3:ゼラチン不使用でヨーロッパベジタリアン連合(EVU)のベジタリアン認証を受けているが光沢剤にミツロウを使用しているドイツ製のグミがあります。

脱動物搾取・野生動物保護・環境保護関連のドキュメンタリー映画/映像シリーズ作品まとめ(2018年以降に公開されたものを中心に)

 2018年以降に公開されたものを中心に、脱動物搾取(及び野生動物保護・環境保護)関連のドキュメンタリー映画・映像シリーズ作品を、公開された時系列順にまとめました。紹介する作品は下記の10作品となります。各作品のトレイラーを記事に埋め込んでいます。紹介文はごく簡潔なものに留めていますので、作品について詳しくは各自でお調べ頂ければと思います。

 

・プラスチックの海 2016年9月 イギリス・香港

・Blue 2017年5月 オーストラリア

・グリーン・ライ~エコの嘘~ 2018年2月 オーストリア

・Dominion 2018年7月 オーストラリア

・Our Planet 私たちの地球 2019年4月 イギリス

・Gunda 2020年2月 アメリカ・ノルウェー

・オクトパスの神秘 海の賢者は語る 2020年9月 南アフリカ共和国

・かわいそうなイルカやウツボの物語 2020年11月 日本

・Seaspiracy 偽りのサステイナブル漁業 2021年3月 アメリ

・クジラと海洋生物たちの社会 2021年4月 アメリ

 

A Plastic Ocean(邦題:プラスチックの海)

2016年9月 イギリス・香港

www.youtube.com

日本での公開は2020年10月から。2021年5月時点でも映画館で上映されたりオンライン上映されたりしている。

 

Blue

2017年5月 オーストラリア

vimeo.com

現在はvimeoで視聴可能。2019年12月、2020年3月に日本でも上映会がなされた。

 

The Green Lie(邦題:グリーン・ライ~エコの嘘~)

2018年2月 オーストリア

www.youtube.com

日本では2020年3月から公開開始。2021年5月時点でもオンライン上映会などがなされている。

 

Dominion

2018年7月 オーストラリア

www.youtube.com

YouTubeの公式チャンネルから無料で全編視聴可能である。日本語字幕も選択できる。制作にはEarthlingsの製作者も携わっている。全編を見るのがしんどい場合は、終盤のまとめに入った10分間だけでも見てもらいたい。

 

Our Planet(邦題:OUR PLANET 私たちの地球)

2019年4月 イギリスwww.youtube.com

Netflixで配信されている。全8回。制作にWWFが関わっている。

 

GUNDA

2020年2月 アメリカ・ノルウェー

youtu.be

俳優でビーガンのホアキン・フェニックスが出資している。日本での公開は未定。この映画について日本語で詳しく紹介された記事はこちら

 

My Octopus Teacher(邦題:オクトパスの神秘 海の賢者は語る)

2020年9月 南アフリカ共和国

www.youtube.com

Netflixで視聴可能。第93回アカデミー賞 長編ドキュメンタリー賞 受賞。

 

かわいそうなイルカやウツボの物語

2020年11月 日本

www.youtube.com

パイロット版のDVDをこちらで購入可能。

 

Seaspiracy(邦題:Seaspiracy 偽りのサステイナブル漁業)

2021年3月 アメリ

www.youtube.com

Cowspiracy(2014年)のキップ・アンデルセンが制作に携わっている。日本語字幕付きのトレイラーは無料でNetflixのページから視聴可能。

 

Secrets of the Whales(邦題:クジラと海洋生物たちの社会)

2021年4月 アメリ

www.youtube.com

環境保護活動でも知られるジェームズ・キャメロンが制作総指揮に就いている。ディズニープラスで配信、全4回。

 

関連記事:脱動物搾取に関係する短編アニメーション動画まとめ

ビーガン関連の日

 ビーガンの情報発信をSNSでする際に、ビーガンに関連する運動のある毎週の曜日や各月の記念日等を把握しておくと、それらに言及しつつ発信することができます。下記に代表的と思われるものを一覧にしてみました。それぞれの日について(また後日解説を書き加えるかもしれませんが)、詳しくは各々で調べて頂ければと思います(調べる際はエコシアで検索すると植樹されるのでおすすめです)。下記では、比較的重要性が高いと感じられる日を太字にして記しています。

 特定の動物に関連する日の場合は、人間の諸活動のせいでその動物が被害を受けていること*1を考えてその動物が苦しめられないようにするためにはどうしていけばよいのかなどを、環境汚染や気候危機・水や食糧危機の問題(これらの問題は動物たちを苦しめることにもなります)に関する日の場合は、プラントベースの食の選択をすることがそれらの問題を改善することに繋がるのだということを特に発信していくとよいと思います。【追記】適宜、日を追加しています。

月曜日:ミートフリーマンデー Meat Free Monday

金曜日:未来のための金曜日 Fridays For Future

1月 

1月1日~31日 Veganuary

2月

2月22日 猫の日

2月27日 国際ホッキョクグマの日 International Polar Bear Day

3月

3月1日 豚の日 National Pig Day

3月3日 世界野生生物の日 World Wildlife Day

3月20日 動物愛護デー

3月21日 国際森林デー International Day of Forests

3月22日 世界水の日 World Water Day

               さくらねこの日

3月23日 世界気象デー World Meteorological Day

3月の第四土曜日 世界漁業廃止デー World Day for the End of Fishing

3月29日 イルカのハニーの命日

4月

4月22日 アースデー Earth Day

4月24日 世界実験動物の日 World Day for Laboratory Animals

4月28日 象の日

5月

5月10日~16日 愛鳥週間

5月の第二土曜日 世界渡り鳥の日 World Migratory Bird Day

        世界フェアトレードデー World Fair Trade Day

5月の第三月曜日からの7日間 National Vegetarian Week

5月20日 世界ミツバチの日 World Bee Day

               森林の日

5月22日 国際生物多様性の日 International Day for Biological Diversity

5月23日 世界カメの日 World Turtle Day

5月30日 アーモンドミルクの日

5月31日 世界禁煙デー World No Tobacco Day

6月

6月4日 虫の日

6月5日 世界環境デー World Environment Day

6月の第一日曜日 The National Animal Rights Day

6月8日 世界海洋デー World Oceans Day

6月の第二金曜日 Animal Sanctuary Caregiver Day

7月

7月14日 世界チンパンジーの日 World Chimpanzee Day

7月29日 世界トラの日 World Tiger Day

8月

8月8日 国際ネコの日 International Cat Day

8月12日 世界ゾウの日 World Elephant Day

8月19日 国際オランウータンの日 International Orangutan Day

8月22日 世界植物性ミルクの日 World Plant Milk Day

8月28日 世界種差別廃止デー World Day for the End of Speciesism

8月31日 野菜の日

9月

9月20日~26日 動物愛護週間

9月22日 世界サイの日 World Rhino Day

10月

10月1日 世界ベジタリアンデー World Vegetarian Day

               犬の日

10月4日 世界動物の日 World Animal Day

10月10日 世界メンタル・ヘルスデー World Mental Health Day

10月12日 豆乳の日

10月15日 きのこの日

10月16日 世界食料デー World Food Day

11月

11月1日 世界ビーガンデー World Vegan Day

11月末の金曜日 Fur Free Friday

12月

12月10日 国際動物の権利デー International Animal Rights Day(国際人権デー International Human Rights Dayと同日)

*1:密猟・トロフィーハンティング・虐待・衣食その他の為の搾取・動物実験、動物園・水族館・サーカスやショーなどで直接苦しめられているほか、農地(飼料用やアブラヤシ等が代表的)の拡大のために生息地が奪われたり、人間が原因による気候変動で生息環境に悪影響がもたらされていることなどが挙げられます。

ワクチン・食品添加物・遺伝子組み換え農作物

 脱動物搾取を意識したビーガンの生活において、製造に動物利用がある・開発に動物実験があるワクチンを接種することについてどのように考えればよいか、またその食生活において、開発に動物実験を経ている食品添加物や遺伝子組み換え農作物についてどのように考えればよいかということは、なかなかに悩ましい問題だと思われます。

 このワクチン・食品添加物・遺伝子組み換え農作物について、脱動物搾取を意識したビーガン向けによくまとまった3つの記事があったので紹介します。*1

 

 

 

 

 

 さてこれらの3記事を読んだ後で気を付けておきたいことは、「ビーガンならばワクチンも食品添加物も遺伝子組み換え農作物も必ず避けなければならない」わけではない、ということです。

 まずワクチンですが、確かにワクチンには製造に動物利用があったり開発に動物実験を経たりしているということがあります。しかし現状、何らかの感染症から自分の命を守るためや他の人の命を守るためにワクチン接種の選択をせざるをえない状況というのは発生します。ここで自分の命や他の人の命を守る*2ことよりも「ワクチン接種による動物搾取に加担しないこと」を選択することは、多くの人にとって「実践できる範囲」を超えてくるものになるでしょう。ビーガンとは「自己犠牲を伴うものであろうとあらゆる動物搾取への加担を完全に自分の生活から排除する」というものではありません。ビーガニズムの定義にもあるように、ビーガンの生活において動物搾取に加担しないようにするのは「実践できる範囲」でのこと*3なのです。そしてたとえワクチンを接種するとしても、動物利用を伴わないワクチン製造をすること・ワクチン開発で動物実験をしないようにすること(代替法などで安全確認をすること)を社会が一層進めるように働き掛けていくことはできますし、ワクチンで犠牲になる動物たちを減らすためにはそうしていく必要があります。

 次に食品添加物ですが、当然、動物由来成分を含む食品添加物は必ず避けるということになります。しかし非動物由来の食品添加物を、過去に動物実験を経ているからといってどこまで避けるかということは、加工食品・外食(特にファストフード系)を利用する限りにおいてはある種の難しさがあります。参考にしておきたいのは、ヤマザキ山崎製パン)の「ベジバーグ」「ヴィーガンロール」が、食品添加物が多く使われているにもかかわらずベジプロジェクトジャパンのVEGAN認証を取得したということです。ベジプロジェクトジャパンのVEGAN認証は欧米のビーガン認証団体の認証に準拠する基準を採用していますから、既に長く使用されてきている食品添加物の過去の動物実験に関しては標準的なビーガンの食生活では許容範囲ということになってくると思われます。

 遺伝子組み換え農作物も、野菜や果物をスーパーなどで直接買うという場合は基本的に避けることができると思われますが、加工食品・外食で、すぐには分からない形で遺伝子組み換え農作物が原材料に使用されているということは起こり得るでしょう。しかしこれを確認するのは結構な難しさを伴うように思われます。遺伝子組み換え農作物も開発に動物実験を経ていることがありますが、この動物実験に与しないために遺伝子組み換え農作物を加工食品・外食でも徹底して避けるというのは、多くの人にとって実践できる範囲を超えてくるように思われます。

 もちろん、「基本的に加工食品は買わない・買うとしても食品添加物不使用・遺伝子組み換え農作物不使用を明記したものだけ」「外食も原材料にこだわっているビーガン料理店でしかしない」という生活をするなら、食品添加物も遺伝子組み換え農作物も徹底して避けることができると思われます。しかしそれを「標準的なビーガンの食生活」だとするのは、ビーガンの生活をすることのハードルをむやみに上げることになるだけのように思われます。

 ワクチンにせよ食品添加物にせよ遺伝子組み換え農作物にせよ、徹底して避けることができないにしても、それらに伴う動物実験に反対してはいけないということにはなりません。とにかく動物実験に反対すること・代替法を選択すること・より良い代替法を開発することを世の中に伝えていくことが重要です。

*1: これは「ハッピーキヌア」という、ビーガン関連の情報発信・飲食店紹介・商品紹介・商品販売をしているサイトの記事です。こちらのサイトは飲食店紹介や商品紹介などの情報発信が主たるものだという印象を受けていました。しかしこれらの記事は、そういった飲食店・商品紹介系の記事ではなく、「動物搾取に与するのをできるだけ避けたい」という意識でビーガンの生活をする者にとって、「気になってはいたけれどネット上の日本語情報だけではなかなかまとまった良い情報がなくてあやふやな知識にとどまっている」分野のものを明瞭にまとめてくれている記事だと感じられました。ハッピーキヌアの記事はおそらく複数の人物が執筆を手掛けており、これらの3記事は同一の執筆者によるものだと思われます。ハッピーキヌアは、執筆者別に記事が分かるようにしてもらいたいものです(この要望は既に伝えてあります)。

*2:新型コロナウイルスの場合は、ヒトから猫などの、伴侶として一緒に生活している動物への感染も確認されているので、新型コロナウイルスのワクチンを接種することは、そういった動物を守ることにも繋がると思われます。

*3:もちろん、「実践できる範囲」とはいっても、食においては毎食で動物性原材料不使用のものを選択するのが標準的なビーガンの食生活になります。参考:「必ず避けるべきレベルの「動物搾取への加担」」。

加工助剤での動物性使用についてどう考えるか

 標準的なビーガンの食生活では、食品で「原材料に動物性のものが使われていない」ということは消費選択における当然の基準です。その一方で、「その食品の製造工程で動物性の加工助剤の使用がある」・「その食品に使用されている原材料のうちの何かに、製造工程で動物性の加工助剤の使用がある」というケースがあり、これについて現実的・実践的な面からどう対処すればよいのかという問題があります。*1

 「加工助剤」とは、ここでは、「食品の製造時に添加される物質であるが、最終的には製造工程で食品から除去され、仮に残存することがあるとしてもごく微量であり、原材料表示義務やアレルギー表示義務から免除される物質」であるとします*2。動物性の加工助剤について具体的には後述します。

 ある食品において、加工助剤で動物性の使用がある場合、たとえ原材料自体に動物性のものの使用が無くても、一般的にビーガン認証団体のビーガン認証を取得できません。それゆえ、ビーガン認証基準で食品の消費を選択するならば、加工助剤での動物性使用もアウトということになります。しかしこの現在の日本でその基準で食の選択をするとなると、加工食品・外食での選択肢はかなり狭いものとなります。そこで実際のところ、加工食品・外食を利用する場合は、原材料が動物性不使用というラインは堅持するとしても、加工助剤での動物性使用はある程度妥協するということが多くの人にとっての現実的なビーガンの食生活になってくると思われます。*3

 そうすると、標準的なビーガンの食生活において加工助剤での動物性使用についてどう対処するかは、下記の3パターンに大きく分けることができると思われます。

 

[1] 加工助剤であれ動物性の使用はどの場合でも一切許容しない。一般的なビーガン認証の認証基準に準拠した消費の選択をする。

[2] 場合に応じて許容する。具体的には、例外的に許容する製品を決めておいたり、加工食品・外食料理の原材料に使用されている場合のみ許容する。

[3] 加工助剤での動物性使用はどの場合でも許容する。

 

[2]の場合、さらに具体的に述べると、砂糖とアルコール飲料のケースになってきます。具体的には下記のような消費行動になります。

 

・牛骨炭やキトサン等の動物性の物質を精製工程での加工助剤として製造された砂糖について:

→自分で料理する際は使用しない(きび糖・甜菜糖を買って使う)が、市販の加工食品や外食の原材料に使われている場合、その他の原材料に動物性のものが無い限りにおいて許容する。

・アイシングラス・ゼラチン・カゼイン・卵白等の動物性の物質を清澄工程での加工助剤として製造されたアルコール飲料について:

→その飲料を自分で直接飲むということはしない(ビーガン表示もしくはビーガン認証付きのものを買って飲む)が、市販の加工食品や外食の原材料に使われている場合、その他の原材料に動物性のものが無い限りにおいて許容する。

 

 これを踏まえてさらに、[2]は下記の4パターンに基準を細分類できます。

[2A] 砂糖のみ例外的に、加工食品・外食の原材料で許容する。

[2B] アルコール飲料のみ例外的に、加工食品・外食の原材料で許容する。

[2C] 砂糖・アルコール飲料のみ例外的に、加工食品・外食の原材料で許容する。

[2D] 加工助剤での動物性使用は、加工食品・外食の原材料で許容する。

 

 さてタリーズで2021年3月から新しく発売されている「プラントベース」とされるスイーツに「苺とソイミルクのカッサータ」という商品があります。こちらは基本的に動物性原材料不使用ですが、原材料の着色料の製造工程で加工助剤にゼラチンが使用されているとのことでした(もう一つの新商品の「ソイミルクのカッサータ」の方では、このような加工助剤にゼラチン使用の着色料は使用されていないそうです)。

 この商品について、[3]および[2D]の基準を採るなら、許容範囲ということになりますし、またこの着色料も[2B]や[2C]のアルコールの加工助剤のゼラチン使用の許容に準じるなら、同じく許容範囲ということになります。*4

  ちなみに当京都VEGAN食生活では[2D]の立場を採っています。これを機に改めて自身がどのような基準で食の選択をしているか振り返ってみてもよいでしょう。

 ただし気を付けたいのは、ここで挙げているような[2][3]のような基準は、日本の現状で加工食品の購入・外食を含めてビーガンの食生活をしていくにあたり、次善のものとして採用できる基準だということです。当ブログ記事「コンタミについて」でもコンタミのあり方を分類して示していますが、これらのコンタミの種類を全て許容するとするならそれも次善のものだといえます。ベストなのはもちろん[1]のビーガン認証準拠の基準で消費の選択をすることです。しかし加工食品・外食を利用する場合は、「原材料自体は動物性のものがないが、加工助剤やコンタミの問題がある」、という状況になることがまだまだ多いです。そのため現在は次善の消費選択基準を採用しながらも、「誰もがビーガン認証準拠の基準で容易に加工食品・外食を利用できるような社会状況」にしていく必要があります。そこで食品メーカーにこまめに要望を伝えるようにするのも大事です。

*1:当ブログ記事の「ビーガンOKのラインと+α」も参照してください。

*2:アレルギー7品目(卵・乳・エビ・カニ・小麦・そば・落花生)については加工助剤であっても表示義務があるそうです。この場合、砂糖の精製工程で使用されることがあるエビ・カニ由来のキトサンや、アルコール飲料の清澄工程で使用されることのある卵白・カゼイン(乳由来)は表示義務があるということになります。

*3:このような妥協が現実的にあるからこそ、ビーガンの訳語を「完全」菜食主義などとするのは誤解を招くことになります。

*4:なおこれらタリーズのカッサータ2商品の原材料の砂糖が牛骨炭等を使用したものかどうかやパーム油の使用の有無については未確認です。

動物たちの保護施設

 脱動物搾取を目的としたビーガンの生活は、消費行動を通じて、動物たちへの搾取・加害にできるだけ加担しないということが基本になります。また一方で、人間のせいで直接的にも間接的にも被害を受けた動物たちを進んで助けることも、脱動物搾取のビーガンの理念に沿うものといえます*1。自身で直接助けるということができなくても、動物たちを保護し信頼のおける里親を探したり終生の世話をしたりする団体・施設を支援することも間接的に動物たちを助けることになります。もちろん、そこで保護されている動物の種によっては食事に動物性のものを必要とすることもあるので、自身のビーガンの生活とのジレンマは生じ得ます。そのジレンマについてどうするかは各自の判断に任されることになると思います。今回のブログ記事では、網羅的というわけではありませんが、日本国内で、動物たちを保護し終生の世話もしている施設・団体を中心に紹介したいと思います。大きく、「ファームサンクチュアリ及びその役割を果たしている施設」「伴侶としてメジャーな動物の保護・里親探しをする施設・団体」「野生に戻せない野生動物を終生飼養している施設」の3つに分けて紹介します。

 

【ファームサンクチュアリ及びその役割を果たしている施設】

 牛・豚・鶏などといった畜産業の現場から救出された動物たちを保護し終生の世話をしている施設が「ファームサンクチュアリ」であるといえます。日本国内では海外のような大規模なファームサンクチュアリはありませんが、その役割を果たしていると思われる施設が4つあります(以下、施設名から公式サイト等にリンクしています)。

ハニーズ ファームサンクチュアリ岡山県

 畜産業の現場から保護された牛や豚など、またその他にも多くの動物たちが保護され世話されており、日本国内で最もファームサンクチュアリらしいファームサンクチュアリであると思われます。

 ・南阿蘇のファームサンクチュアリ オープンセサミ熊本県

 競走馬などに使われた馬たちが余生を安楽に過ごす牧場としてスタートし、現在は豚や鶏たちも受け入れて、ファームサンクチュアリとして施設が運営されています。*2

もーもーガーデン福島県

 東日本大震災とそれに伴う原発事故で被曝した牛たち11頭を保護し、草刈りのお仕事(牛たちは仕事と思っていない)をしてもらいながら安楽に暮らすための施設です。これは実質的にファームサンクチュアリの役割を果たしていると思われます*3

クックハウス沖縄県

 沖縄県内で行われている闘鶏に使われて捨てられた鶏(軍鶏)たちの多くを保護し、終生の世話をしたり里親を探したりしています。多くの鶏たちを助けているという点で、こちらも実質的にファームサンクチュアリの役割を果たしていると思われます*4

 以上の4施設がファームサンクチュアリ及びその役割を果たしている施設です。哺乳類・鳥類の動物たちの中でも、伴侶とする動物としてメジャーな猫・犬・小鳥たちを保護・救助する施設や団体なら比較的支援が集まり易いと思われますが、牛・豚・鶏たちは“家畜”として一層低く見られることで、猫・犬・小鳥たちの保護団体に比べて支援が集まり難いようにも感じられます。脱動物搾取のビーガンはあらゆる動物の搾取に反対するものですが、とりわけ牛・豚・鶏たちを助けることを意識していくなら、これら4施設を寄付等で支援していくとよいと思われます。

 

【伴侶としてメジャーな動物の保護・里親探しをする施設・団体】 

  これについては大規模なものから小規模なものまで多くの様々な施設・団体があるので網羅的に紹介はできませんが、報道などで情報を得たものを中心に紹介します。

[保護猫カフェ&ビーガン]

CAT&VEGAN neu大阪府

ネコカフェ・ジジ京都府宇治市

  保護猫カフェで、オーナーはビーガンの方で、そのカフェで提供される料理も全てビーガンメニューということになると、ビーガンの生活をしている者としては支援し易いところがあります。こういった保護猫カフェは他にも存在すると思いますが、とりあえず上記の2施設がそうです。またCAT&VEGAN neuについては、ジョブクエリのこちらの記事(2019/4/30)もご覧ください(オーナーの方へのインタビュー記事です)。

 ・福岡老犬介護ホーム Azul(福岡県)

 2021年2月7日放送のNNNドキュメントで紹介されていました(再放送が2月21日(日)午前8時からBS日テレであります)。

NPO法人 DOG BASE 保護犬ふれあいカフェGUARDIAN兵庫県

 保護犬カフェで、さらにオーナーが引き取った保護豚がいます。この保護豚の経緯については、まいどなニュースのこちらの記事(2019/9/15)をご覧ください。

認定NPO法人 アニマルレフュージ関西大阪府

 詳しくはチャリティーブランドJAMMINがこの団体を紹介するこちらの記事もご覧ください。

認定NPO法人 TSUBASA(埼玉県)

 インコやオウムなどの、伴侶としてメジャーな鳥たちをレスキュー・保護をして、里親探しもしている団体です。チャリティーブランドJAMMINがこの団体を紹介するこちらの記事(2021/2/1)もご覧ください。

 [京都の施設で、報道で最近紹介されたもの]

モマブランチ京都府南丹市

 最近運営をスタートした引退馬の養老牧場です。京都新聞こちらの記事(2021/2/6)もご覧ください。

保護猫ハウス まなねこ(京都府京都市)

 最近運営をスタートした保護猫施設です。施設運営開始までの経緯は、まいどなニュースのこちらの記事(2021/1/30)もご覧ください。

 

【野生に戻せない野生動物を終生飼養している施設】

日本熊森協会 くまプラネット和歌山県大阪府

 捕獲されたけれど野生にも戻すことが許されなかった熊たちを終生飼養しています。和歌山に1頭(名前は「太郎」)・大阪に1頭(名前は「とよ」)がいます。チャリティーブランドJAMMINが日本熊森協会を紹介するこちらの記事(2020/6/9)もご覧ください。

猛禽類医学研究所(北海道)

  交通事故などで野生復帰できないほどの怪我を負ったワシたちを終生飼養しています。代表の獣医の方はMBS情熱大陸でも取り上げられました(2018年5月13日放送)。

アニマルズアジア サポートグループジャパン(アニマルズアジア本部は香港)

 中国・ベトナムの熊の胆汁農場で劣悪な環境におかれ胆汁を採られ続けていた熊たちを救助・保護し、終生飼養している団体です。日本国内に施設はありませんが、サポートグループジャパンを通じて寄付等の支援がし易いです。

 

 なお今回のブログ記事では、動物園および水族館に該当する施設は紹介していません。動物園および水族館は動物を搾取することで成り立っている施設という位置付けであり、脱動物搾取のビーガンの生活においてはその動物搾取に反対して利用(特に娯楽目的での利用)を避けるべきものだからです。しかし一方で、動物園および水族館は動物たちを終生飼養する役割を有する施設でもあります。今後、動物園および水族館は、新規に動物を購入したり今いる動物たちを繁殖させたりするということをせず、今いる動物たちの福祉に最大限配慮した施設へと移行していくことが望まれます。もちろんそのような施設への移行のためには、私たち一人一人が動物たちに対する意識をより良いものに改めて、政治の場にも働きかけていく必要があります。

*1:当ブログ記事の「ビーガンの「実践できる範囲」について」も参照。

*2:馬については、TCC Japanという組織もあります。この組織は競走馬として使われていた馬が引退した後の終生の世話をするための組織のようです。しかしTCC Japanは馬を使った産業に明確に反対しているわけではないので、支援してよい組織かどうかの判断は難しいです。競馬などの産業のせいで、多くの馬たちは「用済み」とされると殺されているからです。

*3:もーもーガーデンについては、日本農業新聞こちらの記事(2021/2/6)もご覧ください。

*4:2021年2月現在、沖縄県議会各派に闘鶏の禁止条例の制定を呼びかけています。これについて詳しくはクックハウスサポーターの会FBを参照してください。またクックハウスと沖縄の闘鶏問題については琉球新報こちらの記事(2020/9/30)もご覧ください。

ビーガンOKの加工食品・外食③【カップ麺】

 動物性原材料不使用という点でビーガンOKのカップ麺の一覧です。メーカーのサイトもしくは販売サイトにリンクさせています。

 

農心 辛ラーメン辛ラーメンRED激辛

ヤマダイ VEGAN NOODLES 担担麺・酸辣湯麺・醤油

ヤマダイ スープデパスタforヴィーガン

IKEA プラントラーメン 野菜ベースの塩味・カレー味

たるたや 菜食わかめラーメン

Vegewel ビーガン米粉カップ麺

風と光 有機ヴィーガン醤油ラーメン

健福輸入 野菜タンメン当帰薬膳湯麺

インターフレッシュ輸入 本場ベトナム産フォー チキン味トムヤム味

ユナイテッドグルメ輸入 ミースダップ ミーゴレン味ソト味

 

※製造終了したもの:

精進ラーメン禅道 醤油

九州じゃんがら とんこつ不使用の熊本風らぁめん

エースコック スープはるさめ麻婆味

※日本未発売の商品:

農心 純ラーメン

日清 カップヌードル Very Veggie Soy Sauce Flavor

 

 カップ麺を食べる際は「食塩相当量」の表示もよく見て、塩分の摂り過ぎに気を付けてください。

 

関連記事:

ビーガンOKの加工食品・外食①

ビーガンOKの加工食品・外食②